去る４月９日、
講演会「フォトジャーナリズムの世界～いまそこにある世界に目を向けるために～」
を開催しました。

講師はフォトジャーナリストとしてご活躍中の林典子さんです。



林さんが写真の仕事を始めるきっかけになった
西アフリカのガンビア共和国で新聞記者として働いたときのことや、
パキスタンやキルギス、イラクでの取材の経験に加え
想像力を持って他者と関わることの大切さを
たくさんの写真を交えてお話しいただきました。



現場を実況するというよりは
一人の人間や一つの家族に密着し、生活を共にしながら写真を撮る
というスタイルで取材活動をされている林さん。

過酷な現実を前にしてカメラを向けることをためらったり
価値観の違いを感じ、撮った写真をどういうかたちで伝えるべきか迷ったというお話に
林さんの取材対象者や写真に対する真摯な姿勢が感じられ
印象に残った方も多いのではないでしょうか。

ジャーナリストといえど逡巡しながら撮影しているのだと
ご本人からお話しいただいたことで
今後林さんの写真を見るときに、今までとは違った感想も
生まれるかもしれない、と思いました。

外国で起きた大きな事件や政治的な事柄には日々のニュースで触れますが
日本であまり報道されることのない、声を上げることができない人々に密着し、
写真を通じて世界に伝えている林さんの活動は
本当に貴重なものであると強く感じました。

林さんに色紙を書いていただきました！



今月の大特集「世界に目を向けて」コーナーにて展示しております。

江戸川区立図書館で所蔵している
林さんの著作はこちら（リンク先は江戸川区立図書館の検索ページです）
『フォト・ドキュメンタリー　人間の尊厳』

『キルギスの誘拐結婚』

『ヤズディの祈り』

たくさんの方にお読みいただければと思います。