イベント講演会「栗下直也トークショー」を開催しました。
本日、篠崎図書館では書評サイトHONZレビュアーの栗下直也氏をお招きし、
「栗下直也トークショー 〜書評サイトHONZレビュアーが語るノンフィクションの魅力〜」
を開催しました。
栗下氏は1980年、東京都生まれ。会社員のかたわら、書評サイトHONZや週刊誌、月刊誌で書評を執筆されています。
『人生で大切なことは泥酔に学んだ』『得する、徳。』などの著作も発表されています。
HONZは2017年に元マイクロソフト社長の成毛眞氏が立ち上げたインターネット上の書評サイト。
専業作家ではなく別の職業を持っている方が日常生活に寄り添った視点で書評を書いているそうです。
栗下さんも本業の経済記者をしながら、独自の視点で面白い本を紹介していらっしゃいます。
トークショーでは、栗下さんの好きな作家や作品などを具体的に挙げ、その魅力を語っていただきました。
ノンフィクションの面白さについては主に3つの視点から魅力を語ってくださいました。
「フィクションも嫌いではないが、想像力には限界がある。三文小説のようなことが現実に起きてしまう、その背景が知りたい」
「小説よりノンフィクションを読む方が疲れない。小説は感情移入してしまうけれど、ノンフィクションは飛ばし読みできる。
ノンフィクションって勉強じゃない。つまらなければやめればいいし。
ノンフィクションはジャンルが広いので興味のある分野から読んでみればいいんです。
自分でハードルを上げないで気軽に読めばいい。そういう意味では図書館を活用するのもいいですね」
「人物や物事の意外な一面を知ることができる、そのことで自分の知見を広げられる」
経済記者としてお忙しいはずの栗下さん、面白い本を見つけるコツを訊いてみました。
ひとつは新聞書評でもSNSでもよいので、参考になる人を見つけることだそう。いわば読書の師匠のような存在でしょうか。
また、ネット書店で自分が気になるキーワード検索をするのもよいとのこと。
そして大事なのがぶらぶらすること。図書館や本屋などを見ることで、キーワード化されにくい自分の興味がわかるのだそうです。
こうしたことを組み合わせて素敵な本を発掘されているようです。
最後にもう一度、栗下さんは読書に対するハードルを自分で上げないで。本は気軽に読んでほしいと強調されました。
トークショー開催に先立ち、栗下さんに、書評サイトHONZレビュアー・栗下直也が選ぶ「いま読むべきノンフィクション30冊」と題し、
お薦めのノンフィクション作品を選んでいただきました。
明日から当館ミニ特集コーナーで展示致します。
先の見えない現在だからこそ手に取りたい一冊やいつ読んでも刺激的な名作などさまざま。
さらに特集展示コーナーでは「秋の夜長にノンフィクション」というタイトルで当館スタッフが選んだノンフィクション作品を展示。
読書の秋、知的好奇心を満たしてくれる本と出合っていただければ幸いです。