イベント講演会「美味しくて、実は面白いチャイニーズフード 〜食から見える人々の暮らしと文化〜 を開催しました。
本日、篠崎図書館で、
講演会 「美味しくて、実は面白いチャイニーズフード 〜食から見える人々の暮らしと文化〜」
を開催しました。
明治大学理工学部総合文化教室専任教授の新井一二三先生をお招きし、
中華料理の魅力について語っていただきました。
中華料理は中国国内だけのものではありません。
中国語が話されている場所なら中国料理も作られ、食べられているそうです。
世界中に広がる中華料理の魅力について具体的な料理を例にお話しいただきました。
中華料理の特徴は「火の料理」であること。
水が良い日本では新鮮な食材を切って洗い、そのまま食べることができますが、
中国では生水をそのまま口にすることが難しく、油通しすることで殺菌作用をもたらしています。
中国・台湾などのスーパーで売られている油は5リットルが標準というのですから
どれだけ日常的に油が使われているのかがわかりますね。
もう一つの特徴は、箸で食べること。
全ての料理が、箸とれんげだけで食べられるように切ってあるのだそう。
ちなみに日本の「庖丁」は元々紀元前4世紀の中国の料理人の名。
優れた料理人が刃物一本で大きな牛を解体してみせたことから
物事のことわりをわかった上で行えば何事もうまくいくという意味に転じ
「庖丁解牛」という熟語があるそうです。
全ての料理に漢字で名前が付いているのも特徴です。
そういう意味でも中華料理は中国語と結びついているといいます。
色々な中華料理についての知識もお話いただきました。
例えば、「青椒肉絲」の青椒はピーマン、肉は豚肉のことで、
絲の字は絹糸を意味します。つまりピーマンと豚肉の絹糸切り。
単なる細切りではなく絹糸の持つ美しさをまとった料理なのです。
中国と日本は近いので、料理の世界でもお互い影響しあっています。
戦後の日本で誕生し定着した牛肉の「しゃぶしゃぶ」。
中国では元朝のクビライの料理人が発明したという説があります。
戦争中で忙しいクビライに羊の薄切り肉を出して喜ばれたというのです。
しゃぶしゃぶを表す「涮涮」の「涮」という字は水の中で水平にゆするという意味。
中国語では動詞を2回繰り返すことで「ちょっと○○する」というということになり、
まさに、しゃぶしゃぶする感じ!
日本式のしゃぶしゃぶ、今では中国でも大流行りなのだそうです。
台湾経由で中国に入ったのが、カウンター形式での一人しゃぶしゃぶ。
鍋を大勢でつつく日本とは反対に、一人で楽しむ都会的なメニューとして受けているとか。
その他にも本来中国にはないメニューが中国に伝わった例として
ゲームキャラクターとしての「エビチリ」、ドラゴンボールのキャラクター「天津飯」などがあり、
「天津飯」という名のラッパーが活躍しているほどです。
中国料理のレシピもたくさん教えていだたきました。
拉麺のつくり方では、生地に油をまぶしてからひっぱるのがコツだそうです。
日本の家庭にあるものでも作れる中華料理、みなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか。