イベント篠崎図書館主催トークショー『暮しの手帖』編集長に聞く「日々を大切に暮らすということ」開催しました。
本日、篠崎図書館主催トークショー
『暮しの手帖』編集長に聞く「日々を大切に暮らすということ」
を開催しました。
『暮しの手帖』編集長の北川史織さんをお招きし、
雑誌「暮しの手帖」のつくりかたや同社の歴史、
現代の私たち一人ひとりが、自分の生活を大切に生きるためのヒントなどについて
語っていただきました。
(写真右側が北川編集長)
『暮しの手帖』は、戦後間もない1948年、
「もう二度と戦争を起こさないために、一人ひとりが暮らしを大切にする世の中にしたい」
という理念のもとに創刊されました。
まずは、創業者の花森安治氏と大橋鎭子氏の人となりや
二人の出会いについてお話しいただきました。
続いて、雑誌「暮しの手帖」の特徴について。
一つ目は徹底した実証主義。
商品テストに始まり、今でも社内キッチンでの「試作」を経て
料理記事ができあがっています。
「エプロンメモ」などの暮らしの知恵も実際に試してから
載せているのだそうです。
そして、広告をとらないこと。
それは、すみずみまで自分の手で整えたもので雑誌をつくりたいという
花森安治の美学でもありますが、
やはり、スポンサーを気にして書きたい事が書けなくなるのは避けたいといいます。
「書くことに制限がないのはなんて自由なのだろう。
この自由は読者の方にお金を払って支えていただいているもの」
と、それを守っていく責任の大きさを感じていらっしゃるようです。
読者参加型の雑誌であることも大きな特徴のひとつ。
「この雑誌を読む人は考える人である、と花森安治は信じていました」と北川さん。
読者の投稿を大切にしている「暮しの手帖」。
かつて、書店には売れないのではないかと言われた
1世紀96号1冊まるごとの特集「戦争中の暮しの記録」(1968年)は
ふたを開けてみたら売れ行きが良く書籍化するほどに。
最近編んだ「コロナ下の暮らしの記録」にも多くの読者からの投稿があり、
選ぶのに苦労したそうです。
そんな雑誌「暮しの手帖」のつくり方を大公開!
普段は見られない台割やページのレイアウトなど具体的なところまで
ご説明いただきました。
一冊をつくるのに印刷所を除いても150人くらいの人が携わっているという「暮しの手帖」。
人がかかわって化学変化が起きるのが雑誌の醍醐味だと北川さんは話します。
お忙しい北川さんですが、ご自身の暮らしは?との問いに
雑誌をつくっていくうちに、料理などできることが増えていって、それが自分を豊かにしてくれるとのこと。
実際に自分たちでつくってみるということが多い同誌ならではかもしれません。
「他人との比較ではなく自分で満足できる暮らしをおくりたい、私の場合は夜ごはんに好きなものをつくって
おいしくいただければ、明日も元気に働こうという気持ちになれる」そうです。
図書館の思い出についても語ってくださいました。
本が友達だったという子供時代、主に移動図書館で沢山の本を読んでいたそうです。
「本は私にとって何かへの入口。仕事の入口でもあり、暮らしの入口でもある」
最後に「暮らし」と「暮しの手帖」について
「暮らしというものは、こうすれば幸せになるというのではなくて、
一人一人が言葉を見つけ、手を使って営んでいくもの」と言い、
雑誌「暮しの手帖」について
「そのための一助になれば・・・。
これからも実証主義を実践し、愚直につくっていきたい」と締めくくられました。
最後になりますが、篠崎図書館では皆様の関心に応えられるよう、
今後も様々なイベントを企画していきます。
多くの方のご参加を心よりお待ちしております。