BLOGしのざ記

Today 2024/05/06

イベント講演会「イタリアの教会めぐり 〜シチリア・南イタリアの美術と建築〜」

【登録日: 2012年11月17日 】

講演会「イタリアの教会めぐり 〜シチリア・南イタリアの
美術と建築〜」を実施しました。

本日の講師は美術史家で東海大学文学部ヨー ロッパ文明学科
准教授の金沢百枝さんです。



中世に起こったヨーロッパ発の共通様式「ロマネスク」や南イタ
リアの文化について講演していただきました。

ヨーロッパの中世とは古代とルネサンスの間の時代を指すそうで、
日本ではあまり知られていないそうです。

今回、お話いただいた南イタリアは11世紀〜12世紀の間、
その豊かな土地は、ビザンツ帝国やドイツの皇帝、アラブ人など
が領土争いを行い、戦争が絶えなかったそうです。

その戦乱の中、傭兵であったノルマン人たちが、南イタリアを
占領し、ノルマン・シチリア王国を作ったそうです。

その様な歴史背景があるので、南イタリアにはヨーロッパでは
珍しいノルマン・アラブ・ビザンツなど様々な国の文化が
混ざった教会が建てられています。

そういった教会の内部のモザイク画、建築物などをスライドを
使ってわかりやすく説明していただきました。ロマネスクは、
高度な技術の中にも遊びがあるそうです。



美術の他にも、南イタリアの風景、市場の模様や各地方のおすすめ
料理も紹介していただきました。南イタリアは魚料理が豊富で、
日本食が恋しくならなかったそうです。たくさんのスライドで南イタリア
に行った気分を味わえました。

金沢さんのお話は、とても参考になり、面白かったのであっと
いう間に時間が過ぎてしまいました。

講演会終了後、質問攻めにあっていました。



本日の講演会に来られなかった方は、講演会で話していただいた
内容も掲載されている11月22日発売の金沢さんの新刊
「イタリア古寺巡礼 シチリア→ナポリ」(新潮社)をお読み下さい。

本日は芸術の秋にぴったりな、素晴らしい講演会となりました。
たまには、芸術に触れるのもいいものですね。