BLOGしのざ記

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スタッフおすすめ!スタッフのオススメ&つぶやき その15 「人情裏長屋」

【登録日: 2011年03月22日 】
このたびの東北・関東大震災に際し、司書として
何ができるのかを考えました。

もちろん、篠崎図書館を利用される方に
必要な情報をなるべく早く提供していく、
安全な運営を行う、ということが第一なのですが、
それとは別に被災された方、余震で恐ろしい思いを
している方に対しどのようなことができるのか。


そこで考えたのは“小説の持つ力”です。


つらいことがあっても、人と人とが助け合い、支えあい、
励ましあっていけば、きっと乗り越えていける。

そんな人間の力を信じられる小説が、きっとつらい思いを
されている方々の力になれるのではないか、と思います。


この本の作者である山本周五郎は人情味あふれる
下町ものの短篇を多く残しています。

この本の他にも「ちゃん」「ちいさこべ」
「裏の木戸は開いている」「かあちゃん」などなど。

人の善意を信じ、毎日を懸命に生きている人たちのなかに
本当に大切な何かを見ていたのかもしれません。


どれだけの力があるのかはわかりませんが、
ほんのわずかでも、今もこれからも、小説の持つ力が
何かを心に残すことができたら、と思います。

「人情裏長屋」 山本周五郎著  BFヤ 新潮文庫刊