スタッフおすすめ!スタッフのオススメ その21 「刑務所図書館の人びと」
【登録日: 2011年10月13日 】
今回のおすすめ本は、書評等に紹介されご存じの方も多いと思います。
翻訳本でこれだけの厚み(五百頁)があると、一瞬手に取るのが躊躇
われます。
しかし、翻訳者の金原瑞人氏の訳文の良さというのでしょうか(筆者の
読むきっかけは金原氏の翻訳本だったからです)、すんなり読み進める
ことができます。
一流大学は出たけれど、進路が見出せない主人公のアヴィ。
偶然?!目にした求人で、ボストンにある刑務所の図書室司書になります。
本書は受刑者や同僚刑務官たちとの交流の日々を綴った手記です。
私たちの生活とかけ離れていると思える「受刑者たちの日常」は、
意外にも人とのつながりを大切にする彼らの切ない思いで溢れています。
受刑者たちは図書館の蔵書の中にこっそり手紙を挟み、互いに「思い」
のやり取りを行っています。「カイト(凧)」と呼ばれるその手紙に
綴られた文章にその思いが詰まっています。
また、ユダヤ人として生まれた著者自身と家族、そして民族に対する
思いも、こうした受刑者たちとの日々の中で見つめています。
「すんなり読める」とは書きましたが、ルポでもなく、小説のような
大事件が起こるわけでもないので、多少退屈といいますか、単調で
あるのは否めません。
それでも、人とのコミュニケーションの大切さを実感できる一冊では
ないでしょうか。
「刑務所図書館の人びと」 アヴィ・スタインバーグ 柏書房
翻訳本でこれだけの厚み(五百頁)があると、一瞬手に取るのが躊躇
われます。
しかし、翻訳者の金原瑞人氏の訳文の良さというのでしょうか(筆者の
読むきっかけは金原氏の翻訳本だったからです)、すんなり読み進める
ことができます。
一流大学は出たけれど、進路が見出せない主人公のアヴィ。
偶然?!目にした求人で、ボストンにある刑務所の図書室司書になります。
本書は受刑者や同僚刑務官たちとの交流の日々を綴った手記です。
私たちの生活とかけ離れていると思える「受刑者たちの日常」は、
意外にも人とのつながりを大切にする彼らの切ない思いで溢れています。
受刑者たちは図書館の蔵書の中にこっそり手紙を挟み、互いに「思い」
のやり取りを行っています。「カイト(凧)」と呼ばれるその手紙に
綴られた文章にその思いが詰まっています。
また、ユダヤ人として生まれた著者自身と家族、そして民族に対する
思いも、こうした受刑者たちとの日々の中で見つめています。
「すんなり読める」とは書きましたが、ルポでもなく、小説のような
大事件が起こるわけでもないので、多少退屈といいますか、単調で
あるのは否めません。
それでも、人とのコミュニケーションの大切さを実感できる一冊では
ないでしょうか。
「刑務所図書館の人びと」 アヴィ・スタインバーグ 柏書房