BLOGしのざ記

Today 2024/05/18

図書館ニュースイラン文学

【登録日: 2009年07月24日 】
シリン・ネザマフィさんは、イラン出身の作家。彼女の小説「白い紙」が文藝新人賞に選ばれ、芥川賞にもノミネートされるなど躍進が続いています。
小説「柘榴のスープ」は同じくイラン人ながらアイルランドに住むマーシャ・メヘラーンさんの作品です。アイルランドの小さな村で、錯綜する人間たちを冷静に、しかし明るく描いています。そしてその人間たちは脱出せざるを得なかった祖国-イラン-を引き寄せたり突き放したり、こころの中でイランと折り合いがついていません。
ネザマフィさんの日本とメヘラーンさんのアイルランド。 移住した土地に住み、ペルシア語ではない言語で作品が広く知られていくのは、イラン文学の可能性なのでしょうか。それとも現在的制約なのでしょうか。
なお、「柘榴のスープ」にはところどころにペルシア料理のレシピがはさみこまれいて、これがとても魅力的。西アジア料理好きにはたまりません。

「白い紙」 文藝 2009年6月号
「柘榴のスープ」 933メ