BLOGしのざ記

Today 2024/05/04

展示ミニ特集「金魚文学」

【登録日: 2009年08月16日 】
 16日からミニ特集展示「本の中の金魚」がはじまりました。

 金魚鉢、のPOPが目印です。
 


 多くの小説家たちにインスピレーションを与えてきた金魚。ときには幻想的世界に誘う存在として、そしてときには閉ざされた世界=金魚鉢に生きる存在として、心象風景を重ねるかのように描かれてきました。
 今回はそんな金魚文学を中心に、絵画の中の金魚から金魚の飼い方まで、さまざまな金魚にまつわる本を集めました。



 橋本治の「金魚」、与謝野晶子の「金魚のお使」、楊逸(ヤン・イー)の「金魚生活」、中島敦の「かめれおん日記」、レイモンド・チャンドラーの「Goldfish/金魚」など、秀作ぞろいです。チャンドラーの作品は、ぱきぱきした文体と金魚が妙に噛み合っておもしろく、中島敦は彼独特の自省が嵩じて鉢の中の金魚に自分を投影しています。
 絵画では、マチスが随所に金魚を描きこみ、出色の「金魚芸術」を披露しています。

 江戸川区は、全国でも有数の金魚産地で、とくに朱文錦に定評があります。篠崎文化プラザでも金魚を展示中。
 わたしは個人的には素朴なフォルムの和錦や琉錦に親しみを覚えます。



 本棚には涼しげに泳ぐ「ぷにょぷにょ金魚」もおります。足を止めて「金魚小説」で涼しくなるのも一興かと。

8月31日まで、ミニ特集コーナーで。