BLOGしのざ記

Today 2024/04/20

イベント講演会「みすず書房の歩み ~『夜と霧』から『21世紀の資本』まで~」を開催しました

【登録日: 2015年10月31日 】
本日、

講演会「みすず書房の歩み 
~『夜と霧』から『21世紀の資本』まで~」

を開催しました。

今回の講師はみすず書房社長の持谷寿男氏です。



今年12月に創業70年を迎える同社の歩みについて語って
頂きました。創業当初の貴重な本をお持ち頂き、当時の出版
環境などもお話して頂きました。

人文系出版社の老舗であるみすず書房。
優れた人文書の条件は3つあるそうです。
・時代を越えて伝わる。
・光り輝く文章力がある。
・他の分野に越境していくことができる。

みすず書房ではこのような考え方で本をつくり、ロングセラーを生み出して
いるのですね。



夜と霧」には実は2つの版があります。1956年に出版された
霜山徳爾訳の版と、1977年に著者フランクルが改訂した新版を
池田香代子氏が翻訳した2002年出版のものです。それぞれ特長が
あり、みすず書房ではそのどちらの本も大事にして出版し続けているのです。
2冊とも篠崎図書館に所蔵していますので是非読み比べてみて下さい。

21世紀の資本」はアメリカで話題になる前からみすず書房の編集者が
知っていたのがカギでした。大ヒットとなった同書の出版で、映像による
影響力や、その拡散の早さなど、ネット時代に本を売るということを実感
されたようです。



最後に、本は人間的なメディアであるということを強調されていました。
本とは人が伝え、見てもらう場が用意されてはじめて拡がっていくからだ
そうです。

篠崎図書館もそんな“場”のひとつとして、皆さんと本との出会いを
増やしていけたらと思います。