イベント篠崎図書館主催トークショー「おばけのいる人生」開催しました。
3月10日(日)、篠崎図書館にて
講演会「おばけのいる人生」を開催しました。
作家、妖怪研究家の林巧さんをお招きし、奥深いおばけの世界について語っていただきました。
初めて手掛けたおばけ関連の本がきっかけで
「世界妖怪協会」の設立に関わった林先生は
その後、水木しげる氏とマレー半島へおばけ探索の旅へ。
そこで出会った色々なおばけの話を語ってくださいました。
おばけがいるとされる様々なスポットの他、
ボルネオの竹でできている村など、その土地ならではの貴重な写真も見せていただきました。
ちなみにその村、周囲の食べ物が減ってくると組み合わせている竹をバラシて
荷物のように運んで村ごと別の場所に移動するそうです。
全く妖怪や幽霊を信じていないネイチャーカメラマンの方が同行したそうですが
その方が撮った写真に、撮影した際には映っていなかった先住民族のおじいさんが
こちらを指さして怒っている姿が映っていた、など実際の体験談も興味深いものでした。
また、水木しげる先生の思い出もたくさん話していただきました。
水木先生が漫画で描く自分のキャラは
細面でひょろっとしているが、実際はがっしりした体格で
とてもよく食べる方だったそうです。
台湾や香港ではおばけが今でも信じられていて
亡くなった人は『鬼(グイ)』というおばけになると言い伝えられているそうです。
そのため、日本でいうお盆にあたる「鬼月」の時期には
たくさんのお供え物をしたり、紙で作った豪邸や車などを燃やしたりするそうです。
これは、生きている間は大変でも、死後の世界では裕福になれるように、という意味が込められているそうです。
各地域で伝えられているおばけの紹介では
林先生が描いたおばけの絵も登場しました。
画像の絵は、タイで一番怖いと言われているおばけ
「ピー・タイ・フー」のメナック・パカノだそうです。
先生によると、おばけにもいろいろ種類がいますが
一番怖いのが「妊娠したが母子ともに亡くなってしまってなったおばけ」だそうです。
子供を授かったという幸せから一転して不幸になってしまったことが
恐ろしいおばけを生んでしまうようです。
最後に林先生から「おばけのいる人生」についてこんな話がありました。
『おばけがいる人生は怖く思うが、怖いなという思いがないと幸せも感じ辛いのではないか。
海や川のおばけが怖いという思いがあれば、環境破壊も減っていくだろう。
近代合理主義では時間やお金は計算されるがおばけの存在が計算されることはない。
人類はごく最近、おばけのいない人生に入っている。
本当に怖いのはおばけよりも人間なのかも知れない。
おばけのいる人生、おばけのいない人生、本当に怖いのはどちらか…』
講演会終了後には質疑応答もありました。
「事故物件に住みたいのですが、大丈夫でしょうか?」など
意外な質問も飛び出し、会場は楽しい雰囲気に包まれていました。
先生曰く、基本的にはグイ(鬼、幽霊)よりも生きている人間の方が強いそうです。
事故物件に入る時は、心の中で礼儀正しく「おじゃまします」など挨拶をすれば
悪いことは起きない、との事でした。
篠崎図書館では、今後も皆様の関心にお応えできるよう
様々なイベントを企画してまいります。
皆さまのご参加、心よりお待ちしております。