BLOGしのざ記

Today 2024/04/24

イベント講演会「怪談~慰霊と地霊の文学誌~東京/福島のあわいに」

【登録日: 2012年08月05日 】
 本日午後5時より、講演会「怪談~慰霊と地霊の文学誌~東京/福島
のあわいに」を開催しました。

昨年8月の講演会「東北の怪談文芸~杉村顕道を中心に~」に引き続き、
アンソロジスト・文芸評論家として名高い東雅夫氏をお迎えし、「怪談」
文学についてお話いただきました。





講演会の冒頭、東氏が取り組んでいらっしゃる「ふるさと怪談プロジェクト」
の一環として、被災地(宮城・岩手)の現状を取材したビデオレター
(山形在住の怪談作家・黒木あるじ氏制作)の上映、




南相馬・小高区のスライド写真(仙台の出版社・荒蝦夷の土方代表撮影)
の紹介がありました。




今回は、死者を鎮魂する「慰霊の文学」であり、その土地と深く結びついた
「地霊の文学」でもある「怪談」として、福島県に縁のある作家、
岡本綺堂、郡虎彦、埴谷雄高、古川日出男、赤坂憲雄らを取り上げ、
東京と福島を結ぶ線上に「慰霊」と「地霊」の文学の系譜を辿りました。


東日本大震災以後の東北のすがたと、人々の営みや地域に結びついてきた
文芸「怪談」との関係がより鮮明となりました。
いまだ静かに耐えるみちのくに、思いを寄せ続けることを胸に刻む
講演会でした。