BLOGしのざ記

Today 2024/05/18

展示YAコーナーにて

【登録日: 2009年09月10日 】
 YA(ヤングアダルト)コーナーで新しい企画(書架展示)が始まりました。
 つつましい展示ですが、その本棚には貴石のきらめきがあふれています。



 展示を担当したKさんの、胸を打つコピーを転載して紹介いたします。



夏を想って...
 夏休みも終わり、夜には秋の虫の気配が感じられるようになってきました。今年の夏の楽しい思い出がつくれましたか?
 過ぎ去った季節を想うとき、ちょっぴりさびしさが伴うのはなぜでしょうか?
 「さびしい「寂しい・淋しい」」は辞書によると、
  ①あるはずのもの、あってほしいものが欠けていて、満たされない気持ちだ。
  ②人恋しくもの悲しい。
  ③人気(ひとけ)がなくてひっそりしている。
 と書かれています。(『大辞林』より)
 でも、人の心の中のことは、それだけではぴったりのものはみつかりません。
 今月は、そんな『なんだかわからない気持ち』の在り場所へのヒントを教えてくれるような物語を選んでみました。「科学では説明できなくても、誰も信じてくれなくても」(『海辺の博覧会 第二章 ヘビ祭り』より)大切なことはあります。ちょっとしんどいことや気持ちが波立つことがあっても、すぽっと心地よく収まる場所はきっとあるのだと感じました。

 夏を想って、そしてほんのり 幸せな気持ちになれる2冊です。ぜひ手に取ってみてくださいね。



 『屋根にのぼって』  オードリー・コルンビス
 主人公の少女ウィラ・ジョーはある夏の日、屋根にのぼります。小さな家族の死をきっかけにひとこともしゃべらなくなった妹、大好きな家族はバラバラ、預けられた叔母の家では規則とダメ出しばかり。でもそれだけが理由じゃない... 
 多感な少女のこころのゆれをさわやかに描く感動的な物語。


 『海辺の博覧会』  芦原すなお
「ぼくの家がある路地を抜けて左へ曲がると、もう松林が見えてくる。 その向こうは白砂の輝く海岸だ」
ぼくらが毎日遊ぶ海辺に、どうやら“博覧会”なるものがやってくるらしい。
 昭和30年代の四国を舞台に、光あふれる日常を描く連作短編集。